塚本祐造 つかもと・ゆうぞう/1918~1993

広島県生まれ。

1938年海軍兵学校卒、海軍航空隊に入り真珠湾攻撃の第一波攻撃隊、ラバウル航空隊、横須賀基地で飛行教官、次期戦闘機のテストパイロットなどを経て首都防衛隊隊長少佐として終戦を迎えた。

元軍人というだけで就職口がなかった。ようやく入社した野原産業という商社も倒産という憂き目にあった。偶然、航空機部品の輸入を手がけようとしていた伊藤忠商事に元零戦パイロットの経験が評価されて入社、55年航空機部長のとき米ベンディックス社が開発した技術計算用計算機「G15」を輸入し、同機を設置した「東京電子計算サービス㈱」(のちセンチュリリサーチセンタ、さらにのちCRCソリューションズを経て伊藤忠テクノサイエンスと合併、伊藤忠テクノソリューションズとなった)を設立した。

71年代表取締役社長。科学技術向け超高速大型コンピュータ「CRAY」の輸入販売と技術計算サービスの普及に尽力した。70年から社団法人日本情報センター協会副会長を務め、強力なリーダーシップを発揮してわが国情報処理サービス業の基盤整備に貢献した。