新井 正 あらい・ただし/

東京芝浦電気。アナログ計算機を開発した。東大TACプロジェクトの一員。

1950年代から1960年代前半にかけて、電力や製造業、大学の研究所、開発部門向けのアナログ計算機(アナコン)「TASAC」を開発した。アナログ計算機は、飛翔物の位置予測や原子炉制御の研究など科学技術分野におけるシミュレーションの用途に適した計算機だったが、用途が限られていたうえ、ユーザーごとに専用化する必要があった。

「当時の東芝のアナコン開発グループは、自分も含めて2名しかいなかった。足りないところは協力会社の亜細亜製作所の人たちに補ってもらった」

と後年、新井は回顧している。

並行して東芝マツダ研究所の三田繁とともに東大のTACプロジェクトに参加し、東芝コンピュータ事業の基礎を作った。